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◆ はじめに |
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当院ではFTS極細径内視鏡(EG-530N)を導入し、経鼻胃カメラ検査を施行しております。 (従来どおり、経口胃カメラ検査も受けることが可能です。)
経鼻胃カメラは写真のごとく、ファイバーの先端経が約7mmと従来の経口胃カメラよりもかなり細くなっており、非常に楽に検査を受けることができます。 |
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◆ 胃カメラ検査数の推移(当院) |
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当院でも平成20年以降、経鼻胃カメラ検査が激増しています。 | |
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◆ 経鼻胃カメラ検査の特徴 |
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いままでの経口胃カメラの場合は、内視鏡が咽頭部分(舌の付け根)を圧迫するので嘔吐反射が 生じます。経鼻胃カメラでは、内視鏡がその部分に当たらないため、このような反射が起こりません。 そのため、鎮静剤などを使用しなくても、楽に胃カメラ検査ができるようになりました。 |
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経口ルート |
経鼻ルート | |
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◆ 経鼻胃カメラ検査のメリット |
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(1) |
「オエッ」という咽頭反射がおこらないため、胃カメラを飲むときのつらさが非常に少なくなります。 鎮静剤などの使用は不要です。 |
(2) |
通常の胃カメラと違い、検査中に話すことができます。 モニターを見ながら、医師に質問もでき安心して検査を受けられます。 |
(3) |
鎮静剤を使用しないので、長時間休む必要がなく、すぐに日常生活やお仕事に戻れます。 (生検が無ければ検査後30分程度でむせずに食事を摂ることが可能です) | |
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◆ 経鼻胃カメラ検査のデメリット |
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(1) |
鼻腔の狭い方、鼻の手術を既往のある方、鼻血の出やすい方は、ごくまれに、鼻から挿入が困難なことがあります。その場合は、従来どおりの口から挿入する胃カメラ検査となります。 |
(2) |
鼻からの挿入により、時に鼻出血をおこすことがあります。 ほとんどの場合はごく軽度の鼻出血で、鼻を少し圧迫するだけで 容易に止血します。 |
(3) |
狭心症や緑内障の方、妊娠中の方などはこの検査の適応外となります。 |
(4) |
処置が必要な胃ポリープがみつかっても、同時に処置できないため、経口の胃カメラに変更する 必要があります。 | |
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◆ 経鼻胃カメラの良い適応 |
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以下に該当する方で、スクリーニング目的で胃カメラをする場合が良い適応になります。 |
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(1) |
以前に経口胃カメラでかなり苦しいと感じた経験のある方。 |
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(2) |
嘔吐反射の特に強い方。 |
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(3) |
胃カメラが初めてで恐怖心の強い方。 |
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(4) |
開口障害のある方。 | |
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◆ 当院の胃カメラ検査の方法 |
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(1) |
消泡剤を服用し胃の中にある泡を消します。 |
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(2) |
内視鏡挿入による鼻出血を予防するため血管収縮剤を鼻にスプレー致します。 |
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(3) |
鼻に局所麻酔剤を注入して鼻の麻酔を行います。 |
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(4) |
喉に局所麻酔薬をスプレーし喉の麻酔を行います。 |
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(5) |
肩に注射し検査を行います。(約5分) |
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(6) |
検査後鼻出血がなければ検査終了です。 |
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(7) |
検査後鼻出血があれば止血剤入りの綿球で圧迫止血します。 | |
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◆ 皆様からよくされる質問をQ&A形式にしました。 |
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Q. |
「鼻からカメラを入れたりして痛くないですか?」 |
A. |
通常、鼻に局所麻酔をしますので、痛みはほとんどありません。 ただし、鼻腔がとても狭い方は胃カメラが鼻腔を通過する際、痛みを伴うことがあります。 |
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Q. |
「鼻の穴の小さい人でもできますか?」 |
A. |
50人に1人ぐらいの頻度で、鼻腔が狭く左右両方とも経鼻挿入が不可能なために経口に変更する場合があります。ただし、経口でも従来の胃カメラに比べ細経ですので、かなり楽に検査を受けられます。 |
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Q. |
「鼻づまりがありますが、できますか?」 |
A. |
前もって、鼻粘膜を収縮させるスプレーをしますので、ほとんど問題ありません。 |
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Q. |
「鼻血がでませんか?」 |
A. |
カメラを出し入れする時に鼻腔をこするため、少量の鼻出血が見られる場合があります。 しかし、ほとんどの場合、一時的ですぐに止まるので問題にはなりません。 |
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Q. |
「鼻からのカメラでも組織検査はできますか」 |
A. |
通常のスクリーニング検査では、もし病変が発見された場合、経口法と同様に、生検を行うことができます。結果が判明するのに約5〜7日間かかりますが、その後、ポリープを切除する必要が判明した場合は、経鼻法ではできず、従来の経口法による胃カメラ検査が必要です。 |
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Q. |
「経口法に比べ、費用は高くなりますか?」 |
A. |
費用は経鼻法も経口法も同じです。 |
胃カメラが苦手な人は、一度経鼻胃カメラ検査を試してみられることをお勧めします。 |
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